コースマネジメントの重要性
今日は1人予約に空きがなく、ラウンドは雨模様でもありお休みです。朝からCS放送のゴルフネットワークを見ていますが、ちょうど「アイデンティティー」という番組が放映されていました。
2014年の世界アマは日本開催でしたが、男子が29位・女子が8位と低迷したため、それを打開するために日本ゴルフ協会(JGA)はオーストラリアを復活させたナショナルコーチのガース・ジョーンズ氏をヘッドコーチとして招聘したのです。
これまでチームジャパンの強化を担っていたのは基本的にアマチュア委員でしたが、世界各国が経験豊富なヘッドコーチ(HC)を中心に各分野のスタッフを配して強化している現状から、初めてプロのジョーンズ氏に白羽の矢を立てたのでした。
オーストラリアゴルフ協会の強化プログラムに携わっていたジョーンズ氏は、プロのツアー選手でしたがその道では成果を出せず、教えるのが好きということからティーチングの道に進んだという経歴を持っています。
選手たちに意識させたのが、「インポジション」という「打ってはいけない場所と良い場所」の見極めであり、グリーン上では「ゼロライン」(上りの真っすぐのライン)を見つけるというものです。
これらを練習ラウンドでしっかり確認しておくことで、選手たちにゲームプランを構築させるというものです。
このゼロラインに付けるためには、2打目や1打目をどこに打っていくか考えさせるものであり、いわゆるコースマネジメントの重要性を徹底させました。
チームジャパンのアイデンティティはショートゲーム(チップショット・バンカーショット)であり、このショートゲームの重要性を強調しています。
実際にスコアメークに関係する割合は、ロングゲーム35%に対しショートゲームは65%と高く、だったらどちらを強化すればよいか一目瞭然だということです。
日本ではロングゲームの練習に重点を置いていたものを、ショートゲームの練習を徹底させ、そのショートゲームでゼロラインに付けることからバーディーを狙うという戦術です。
そのため練習場よりコースの経験がより重要だと言っていて、他国のジュニアと日本のジュニアとの差がコース上でのショートゲームの経験値の差だということのようです。
2018年の世界アマではチームジャパン女子は安田・西村・吉田のメンバーでは2位になるという成果を出し、特に安田祐香のその後の活躍はLPGAツアーでも実証済みです。
私はコースマネジメントの重要性をこの日記でも何度か書きましたが、上級者でもアベレージレベルでも、その重要度は同じなのです。
「コースマネジメントが出来ない者は練習に逃げる。練習できない者は道具に逃げる」というのはアマ上級者の言葉ですが、それくらいゴルフでスコアメークをするためには「考える」という行為が必須になります。
日本では、練習環境の面から「打ちっ放し」練習場というロングゲームの練習に重きを置かれる傾向が高く、それではスコアメークの35%の部分しか練習していることにならないのです。
アベレージゴルファーの大きな勘違いが「プロのようなショットが出来れば70台のスコアが出せる」というものですが、プロのようなショットが出来ても残り65%の部分を練習しないから目標達成には程遠いのは当たり前です。
こうしたことは考えれば誰でも分かりそうな部分なのに、この簡単なものでさえ気づけないからコースマネジメントなんて全く考える由もないのかもしれません。
ゴルフが難しいのは、技術やマネジメント以外にも人智ではどうしようもない部分があることで、自然と戦うゴルフという競技の宿命であり、だからこそ世界中の人々を魅了するのかもしれません。