三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

鉄人のゴルフはマネジメント不足

 昨日のラウンドで、久しぶりに「鉄人」と私があだ名をつけた79歳の老ゴルファーとご一緒しました。
 なぜ「鉄人」と名付けたかというと、79歳という高齢なのに、いまだに現役のエンジニアで熊本に単身赴任していることがまず1つ目ですが、私と同じレギュラーティーからのプレーに拘り、ドライバーの飛距離はほぼ私とそん色ないという部分が2つ目の理由になります。


 なにしろ、練習場で500球もショット練習をするという方で、まさしく「鉄人」そのものなのです。
 自宅は関東の首都圏にありますが、ほとんどが単身生活という方で、盆暮れに自宅に帰った際は反対に落ち着かないというほど、単身での生活が長い方です。
 以前は福岡空港近くに住んでいて、熊本空港近くの西原村に引っ越したのは単にゴルフ環境が良いという理由だけで、空港に近ければどこでも良かったと言っていました。


 なぜ空港の傍なのかという訳は、淡水化プラントの技術(特許?)を持っておられるようで、海外での仕事がメインになり、現在は韓国の済州島で仕事をされています。


 もう1人の「アプローチの達人」とあだ名した方は元シングルさんですが、71歳で鉄人より若いものの、飛距離が出なくなり、前方のシニアティーでプレーされます。


 達人のティー位置にもよりますが、3人でラウンドすると、セカンドオナーは毎回変わり、3人の飛距離のバランスがちょうど良い感じになっていて、79歳のゴルファーはまさしく鉄人という名に恥じない方なのです。


 来年の2月で満80歳になられますが、70歳代最後に80切りでエージシュートを夢見られていても、なかなかそこに近づくのはほど遠い状況です。
 なぜかというと、「スコアアップには飛距離アップ」というゴルフマスコミの誤ったCMに染まっていて、プロのようなショットを身に付けないと80切りは出来ないと今でも勘違いされています。


 私が「達人のゴルフを見れば、飛距離が出なくても80切りはできるでしょう?」と言っても「そうだね!」とは答えますが、実際は分かっていないように見受けられます。
 一般ゴルファーにありがちな、良いスコアは良いショットの延長線上にあるという固定観念から抜け出ていないためであり、今日も途中で「飛ぶドライバーを買おうかな?」と呟いていました。


 鉄人のゴルフは、まずドライバーショットで飛ばそうと力任せに振る典型的な勘違いがベースにあります。
 今日も私が「飛ばしたいのであれば、『ゆっくり』・『しっかり』振ること!」と言いますが、それでも力いっぱいスイングしてしまい、結果的にサイドスピンがかかって曲がるため飛距離を伸ばせないようです。
 ときどき当たって飛ぶから余計にそのことに気が付かないようで、どうしてもスイングスピードをコントロールするという考えに至っていません。


 私が「女子プロは身長160cmほどの華奢な身体でも230~250yは飛ばせるのは、効率の良いスイングだからであり、アマチュアも効率の良いスイングをすれば、飛距離は力を入れなくても200y以上は当たり前に飛びますよ!」と言いますが、どうしてもそれについては理解してはくれません。
 「最近の女子プロはごつい身体だし、太ももなんて大きいよ!」と笑って反論されましたが、比べるとやはり基本的な筋力は男性の方が上のはずです。


 目標の80切りのためには、今のスイングでも十分であり、後はマネジメントをプラスすればよいのですが、なかなかそのことを力説しても理解してもらえない現状です。

 このスコアは昨日30日の大津での鉄人のスコアになりますが、本人のスコアカードを元に作ってみました。
 スコアカードにない部分は、私の記憶によるものなので、もしかしたら間違いがあるかもしれませんが、記憶に自信はあります

(鉄人のスコア表。左欄にオーバーした数とパット数、次の欄はドライバーの結果、3つ目と4つ目はアイアンやアプローチの結果のようで、出来・不出来を書いておられます)


 このスコア表から見ると10番パー4はドライバーショットはフェアウェーだったので〇、セカンドはUTでチョロだったので✖、3打目も右ラフに外したので✖、4打目でオンしたけど寄らなかったので△という意味のようです。


 ちなみに達人は、セカンドは鉄人と同じような位置のフェアウェーで、セカンドを右ラフにトップし、アプローチで乗せて2パットのボギーでした。


 つまり、鉄人はドライバーショットをそこそこに打てたけど、セカンド以降が悪かったわけで、3打目でオンさせて2パットという「ボギーなゴルフ」が出来なかったのです。
 その原因はセカンドでUTを持ったためのミスですが、残り220yほどからは2オンはほぼ不可能で、どこに刻んだら3オンして寄せやすいかを考えずにクラブ選択をしてしまったようでした。


 スタートホールはダボでしたが、11番からはその「ボギーなゴルフ」が展開されているのがスコア表から分かります。
 これでリズムを作っていけばよいのですが、またクラブ選択でのミスをしてしまいます。
 それは16番パー3でのクラブ選択です。


 16番パー3はピンは手前で120yほどの位置でした。ただし、手前には池があり、グリーンのエッジは斜面でショートすると池に転がってしまうホールなのです。
 私は先に大き目の9I で打ってピン奥2mでしたが、鉄人のショットはショート目になって手前の池ポチャになってしまいます。


 幸い、プレ3からのアプローチが寄り、2mを入れてナイスボギーでしたが、ここはクラブを1番手上げる必要があったのです。
 もちろん、ピン奥に乗せると下りで難しいパットになりますが、ピン手前の狭いエリアを狙うほどの力はないはずで、手前のエリアは大き目のクラブでミスショットした際に乗る場所なのです。


 そうしたリスク管理を忘れ、バーディーチャンスになる手前を最初に狙ってクラブ選択するから、当たりが薄かった際にグリーンに届かないという失敗に繋がったのです。


 次に問題だと思ったのは、18番パー5です。ここは460yほどの右曲がりの短めのロングホールなのですが、右はずっと池が続いているため、スライサーの私は左に3つあるバンカーでも良いと思ってティーショットのねらい目を定めます。
 もちろん、右ギリギリに打てれば2オンも狙えますが、それはグリーン手前に池が食い込んでいるためリスクが大きく、反対にショートアイアンで刻むと3オンはそんなに難しくはありません。


 私は左バンカーに入れ、8Iで刻んで9Iで3オンしましたが、鉄人はドライバーショットが右に飛び池ポチャになりました。
 ここまではある意味仕方ないところですが、問題は3打目以降です。


 プレ3からはグリーンまで220y以上はあり、無理せずに残り100y付近のフェアウェーが広くなった場所に運び、確実に4オンしてパーパットを打って、入ればパー・外してもボギーという計算をすべきだったのに、プレ4から長いクラブでグリーン方向に打ってまた右への池ポチャにしたのです。
 ご丁寧に5打目でも、つま先下がりのラフからグリーン右の上りの位置を狙って右バンカーに入れ、バンカーからエッジに出ただけでそこから乗せて2パットでした。


 直線的にグリーンを狙ってしまうというアベレージゴルファーにありがちなミスを繰り返されたのですが、もう少しリスク管理を行っていれば、少なくとも最初の池ポチャだけで済んだはずです。


 後半は、1番パー4こそボギーオンして3パットのダボでしたが、2番・3番と3打目のアプローチショットがオンし、4~5mのパットが入るというパーゲットされました。
 6番パー5でも3打目が右カラーで、そこからパターで寄せてパーゲットだったので本人は2パットと書いていますが、私は1パットのパーに訂正しています。


 ここまでは良かったのに、また7番パー3で左のピン筋に飛んだのにわずかに足らずにバンカーインというミスを犯されました。
 ここも大きめのクラブ選択をする、もしくは同じクラブでも右を狙うなどすればよく、左のピンに向かって打つから、当たりが薄くてバンカーインするのです。
 ピン方向ではなく、右目のセンター方向を狙っていれば、少なくともグリーンオンして、頑張れば2パットのパーはあったはずです。


 ショートホールでピン方向を狙いピン手前までの距離を打つクラブを選択するから、ミスった時の反動が大きいのだと思っています。


 鉄人のスコアを見てみると、パーを3つ取り、全体の半分の9ホールをボギーで凌いでいます。
 つまり、「ボギーなゴルフ」を展開できる力は現状でもあるはずで、スコアを大きく落としている6つのホールでの攻め方が反省すべき点です。


 グリーン方向へ直線的に攻める考え方とショートホールでの狙い場所やクラブ選択など、大きなスコアロスを避けられる方法はあったはずです。


 そうしたリスク管理を行うマネジメント力がまだまだ不足しているわけで、その力を付けることができれば、普通に80台中盤のスコアは出せそうです。
 それができるようになれば、パット力をつけていくことで目標の80切りのエージシューターになれるのですが、飛距離やスイングといったスコアアップのための傍流になる考え方を改めない限り、まだまだ道のりは険しいと言わざるを得ません。


 達人のように飛距離が出なくても80切りできるというゴルフや、私のように我流スイングでも80切りが可能という身近に良いお手本があるのに、そこを分かってくれないのは一般ゴルファーに刷り込まれた「飛距離でスコアアップ・プロのような綺麗なスイングをしないと70台のスコアはでない」といった誤った考えのせいだと思っています。


 その意味では、ゴルフマスコミが広めた間違った考え方の犠牲者なのかもしれません。