ノーベル医学生理学賞を今年受賞することになった本庶さんの話題で、今朝のワイドショーは持ちきりです。
本庶さんはゴルフのベストスコアが７８ということですが、私はそれに対するコメントに注目してしまいました。

モーニングショーの司会者は、「プロのようなレベル」とコメントしましたが、ベストスコアが「７８」程度で「プロのようなレベル」とはプロに失礼な話です。たぶんこの司会者はゴルフをやらないか、やっても100が切れないレベルなのでしょう。

70台のベストスコアは、普段が90台のスコアであっても、たまたま出てしまうこともあり、誰でも好調さと幸運さが併せて持てれば、記録することは可能なのです。
本庶さんのゴルフをよく知らないので、本人のことをどうこう言おうというのではなく、70台のスコアというものに対する一般の人が受けるイメージとして、そうなのかなと思ったところです。

人は未知のことに対しては、想像するしかありません。登ったことのない高い山は、自分が登った山の高さまでのイメージでしか想像できず、それ以上は単なる「もっと高い山」なのです。
ただ山の場合はチャレンジすることで、成功するかどうかは別にして、自分にも可能性があると思えてしまいます。

しかし、野球をやっているからといってプロ野球選手に皆がなれるとは誰もが思わないように、一定の技術が必要とされる（もちろん高山の登山にも技術は必要ですが）スポーツでは、やってみると自分の限界を感じ、自分以上のレベル到達者に対して畏怖の念を持ってしまいます。

ゴルフは比較的にその傾向が強く、100が切れないレベルでは90というスコアでも「凄い！」と思ってしまいます。
私が当時の職場でゴルフを始めたころ、職場のコンペに参加し、同伴者が90のスコアを出され、そのことに心の底から「凄い！」と思ってしまいました。
その感想を本人に直接言ったら「そんなことはない。」と怒ったように言われたものです。

今思えば、その方はあるゴルフ場のメンバーでHDCPが10程度だったのですが、90が切れなかったスコアにかなり不満足だったのでしょう。
その時のベスグロが85程度だったのですが、そのベスグロ者に対しては、はるか雲の上のような存在だと思ってしまいました。

つまり、自分が到達していないスコアレベルであれば、90も85も80も75も全て「凄い」レベルなのです。
話を戻せば、朝のワイドショーの司会者にとっても「78」というスコアは、「プロ」のようなスコアだと感じてしまうのも無理はないのかもしれません。

その意味で、ゴルファーはどんなゴルフ場でも良いし、ラッキーが重なっても良いので、ベストスコアを更新することは大事なのです。

ベストスコア90台のレベルでは、70台のスコアのゴルファーを「凄い」ゴルファーだと思ってしまいますが、一度でも70台のスコアを出した経験のある通常90台のゴルファーであるなら、そこまで凄いとは思わないものです。

つまり、一度でもその景色を見れた場合、そこには特別の技術は何も必要なく、普通にラウンドしていたら結果的に80切りができてしまったということが分かっているからです。

100が切れない・90が切れない・80が切れないゴルファーは、その達成のためには自分に何かが不足しているものと思い、どうにかしてそれを補おうと思います。
100が切れないレベルであれば、ショットの練習やショートゲームの練習をもっとしなければなりませんが、90が切れないレベルであればショートゲームの練習だけでも90は切れるようになります。

80が切れないレベルであれば、今の技術に合わせて考え方をちょっとだけ変えれば80の壁を切れるようになるのです。

CMにあるように「今より飛距離を伸ばせばスコアが伸びる！」ことはありません。だから新しいドライバーに買い替えても、無駄な投資になります。
それより、持っているドライバーでそこそこ打てるように練習した方がすっと効果的なのです。

クラブを浮気することなく、慣れ親しむように練習すれば、誰でも生涯で1度はパープレーできるはずです。
そしてその達成時には、何も特別なことは必要なかったと感じるはずです。

90台のスコアのゴルファーが80切りができないのは、努力が無駄な方向へ向いているだけなのだと思います。

90台のゴルファーでも18ホール中、いくつかはパーが取れているはずです。
要は、そのパーを18ホール全て取ればパープレーだということで、それは全く不可能なことではないことは、あなたがパーを取れていることから証明できます。

もちろん、その実現は難しいことではありますが、少なくともプロゴルファーになるよりずっと可能性が高いと思いますがどうでしょうか？