三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

マッチプレーの心得

赤水のマッチプレー決勝の対戦相手が決まりました。
赤水からトーナメント表に結果が書かれて自宅に郵送されています。


勝ち上がりを予想した70歳の病院の先生は、予選第2位の成績でしたが予選5位通過の方に4アンド3という大差で負けています。
その予選5位の方は、参加者中一番多くのHC18を持った方のようです。


ストロークプレーだと、ハンディの差はそんなに関係はなく、実力がそのままハンディに繋がります。
つまり多くのハンディを持った者は、必ずどこかで大叩きをするわけで、それが原因でスコアメイクができないのです。


その方の年齢もどんなゴルフをする方なのか全く知りませんが、準々決勝も5アンド4という大差で勝ち上がっているところから、波の荒いゴルファーではないかと予想しています。
つまりバーディーも取るけどトリプルも叩くという私のようなゴルファータイプです。


ストロークプレーだと、じっくり自分のスコアだけに集中していれば相手が勝手に転んでいきますが、マッチプレーは1ホールごとの勝負になります。
HC18ということは、平均スコアは90が切れない程度のはずで、このレベルで戦いやすい相手は平均してボギーを叩き、ときどきダボというタイプになります。
つまり一発がないから怖くないので、そのホールで自分が大叩きしないよう気を付けていれば、悪くてもイーブンで終われます。


しかし波のあるタイプは、取れるホールはあっさり取れますが、取るべきホールを計算できないから困ります。
波があるタイプは、もともと力は持っているのに、スコアメークの仕方を知らない場合も多いようです。
つまり波に乗せると怖いのがこのタイプで、予選の時に同組で予選落ちされた方がまさしくこのタイプです。


その方は以前のことですが、18番パー5でアルバトロスを取ったこともあり、飛距離は出ますがストロークプレーでは粗さがそのままスコアを崩す原因になります。
予選の11番パー3は狙ってもバックティーからはオンが限りなく難しいホールですが、その方のショットはナイスショットしたのに止まらずに奥のバンカーインし、バンカーショットが大きく手前の池ポチャするという結果的に4オーバーの7を叩いています。
安全に右から寄せ1狙いだと、悪くてもボギーで上がれるのに果敢に攻めるところがこの人の持ち味でもあり、欠点でもあります。
でも、1ホールごとの勝負になるマッチプレーではなかなかの強敵になりますが、幸か不幸か予選落ちされたので、当たることはありませんでした。


果たして決勝の相手はどんなプレーヤーなのでしょう。
お互いがお互いを知らないため、相手のことはあまり気にせず、準決勝までと同様ボギーオンを目指し、「ボギーなゴルフ」を目指し、粘り強く戦いたいと思います。
決勝は36ホールの長丁場でもありますが、大きなビハインドは後半に苦しさが増すことになります。


ストロークプレーだったら2打3打の違いはOB1発で一瞬のうちに変わってしまいますが、マッチプレーだと1ホールで1つの違いにしかなりません。
つまり、2つのリードは一気に逆転することはできないのです。
また残りホールが少なくなると、逆転できるチャンスも合わせて少なくなります。


残り35ホールの1アップ(1ダウン)はまだどうってことないけど、残り2ホールでの1アップ(1ダウン)はそのホールでの勝ち(負け)で即マッチが決まってしまう恐ろしさがあります。


またどんなにナイスショットしてパーオンしても、パットが入らなければ酷いショットを繋げた寄せ1と変わらないことになり、ときには最後の短いパットを外して負けるケースもあります。
アマチュアのマッチプレーはミスのし合いであり、最後にミスを出した方が負けるというパターンが多いのです。


そのホールで勝ち負けが分かるので、腑に落ちない勝ち負けも現れます。そんな時に、次のホールに向けて上手く気持ちを切り替えられるかがカギで、そこで切り替えられないと、そのままズルズルとホールを失ってしまう恐れもあります。


アマチュアは立て直しが効かないので、いったんペースを崩すとどこまでもスコアが落ちていきます。
また相手のショットを見ながらのラウンドになるので、相手のミスが自分のミスを呼ぶことになりがちです。


相手が大きく曲げてトラブルになりそうと思ったら、自分も大きく曲げることはよくあり、相手が1打目OBだったので慎重に打ったら自分も相手も4オンだったという笑い話のようなことも起こります。


準決勝の2番パー4で、私が入れてはいけない右のバンカーインした後、そのバンカーの怖さを知っているはずの百戦錬磨のシングルさんも付き合ってバンカーインされましたが、これもマッチプレーで相手のミスを見ていたがためのミスになります。


また1mのパットを入れるか外すかで勝負が決まる場合、普段だとほぼ入るものがなかなか決まらなくなります。
準々決勝で1番パー4で相手が1mを、2番パー4でもお互いが決めれば勝てるという1mをそれぞれ外してしまいました。
そのパットの結果如何でそのホールのマッチが決まるということは、かなり神経に応えますが、これが通常のラウンドでは味わえないマッチプレー独特の重圧なのです。


駆け引きとして、序盤は嫌な距離をOKするという戦術もあります。
1m程度をOKしてもらうと、内心「助かった」と思うのですが、勝負所でOKが出ないとそのプレッシャーは限りなく大きくなります。
序盤でOKがなく打ってカップインしていると、その成功体験があるので次の場面でも「さっきは入った」という自信が持てますが、嫌だなと思っている距離をOKしてもらい打っていない場合は、そのOKが出ない距離が「OKしないのは難しいラインなのかな?」など、余計な考えが入ってしまう場合もあるのです。


ストロークプレーではたとえそのパットが入らなくても、1打のロスということだけどすぐにどうこうはなく、その次以降のホールで取り戻すことも可能ですが、マッチプレーではそうはいきません。
ミスパットはイコール負けもしくは分けという冷酷な結果になります。


特にナイスショットでオンし、パーパットを外す3パットのショックは大きく、相手がピンチの中アップアップのゴルフだったのに引き分けになるほどショックは増大します。


しかし3パットを怖がって距離合わせのパットを打つのは考えものです。マッチプレーでのパットは強めに打つことが鉄則で、それが相手へのダメージの蓄積に繋がり、後半の展開に影響を与えます。
2パットで勝ちなら距離合わせするけど、それ以外なら積極的に序盤は打つのがマッチプレーの鉄則です。


つまり、3パットはショックの度合いが強いけど、それを怖がってのビビったパットは、相手から見ると怖くもなんともないのです。
怖いのは常にカップを狙った積極的なパットで、これはアプローチにも言えます。
相手が入るかもと「ドキっ」とさせることが重要で、その繰り返しが心のエネルギーを少しずつ奪い、後半での息切れに繋げます。
マッチプレーとは、殴り合いのないボクシングみたいなもので、序盤での軽いジャブの打ち合いで的確にポイントを取っておくことも大事なのです。


私は相手のアプローチやパットの際は、常に「入るもの」として心構えして見ています。「入るもの」と思っていれば、チップインやロングパットを沈められても慌てないからで、その意味で打った瞬間にカップに届かないと感じるアプローチややパターは、ストロークプレーでは「ナイス!」なものですが、マッチプレーでは怖いものではありません。


本当は駆け引きせず、力でねじ伏せるのが理想的ですが、アマチュアの悲しいレベルではそうはできません。駆け引きを楽しむのもマッチプレーであり、基本は楽しみながらラウンドすることが一番なのです。