三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

メダリストに辛勝

1番ティーのオナーは予選上位のメダリストです。そのティーショットは昨年のチャンピオンの話のとおり、きれいなドローの球筋でフェアウェー左に飛んでいきます。
私は、最近の出だしは大きくスライスするケースが多いので、若干捕まえに行きましたが、真っすぐに飛んでフェアウェーセンターでした。
メダリストが、先にセカンドをピン横6m辺りにナイスオンしたのを見て、若干動揺してしまいます。


このゴルフ場のグリーンは小さく、朝ローラーをかけてあるので、ウェッジのフルショットだと止まるのですが、4~50yのアプローチショットは止まりづらいため、ピンの右目の比較的奥行が広いところを狙おうと思っていました。
しかし、先にピンに付けられると、逃げるわけにはいかないとピンを狙ってしまいます。
案の定、グリーンをオーバーして奥のラフの傾斜に転がってしまいました。
相手はバーディーもあるかもと思い、とにかく寄せ1狙いで、52度で1m強に付け、相手のバーディーパットが入らずにOKを出して、「入れなければ負け」と思いながらのパットはきちんとヒットでき、パーセーブでこのホールを分けにしました。
止まるアプローチショットを打つには、普段やっていないので距離感が分からず、いつものアプローチショットをしますが、どうも止まりづらいようです。


2番パー4は、オナーのメダリストは右目のフェアウェーで、私は左目に引っ張ったようでしたが、グリーン手前のフェアウェーでした。
メダリストが私の球はラフかと思ったらしく、先のフェアウェーにあるのを見て、若干驚いたようでした。
こんなジャブも神経戦のマッチプレーでは、じわじわと効いてきます。
メダリストのセカンドはやや大きく、奥目にオンし、私のアプローチショットはピンの左横にバーディーチャンスでしたが、このパットは決めきれず、最初のチャンスを逃してしまいました。


3番パー3は、オナーのメダリストは奥目にオンし、私は9Iで手前のカラーでした。マッチプレーは遠球先打が原則なので、私のカラーの球より遠い、メダリストのバーディーパットが先でした。
メダリストのバーディーパットは入らず、OKを出し、カラーから5mを狙いましたが、これも左に外し、分けになりました。


4番パー5は私はピン横にバーディーチャンス、メダリストは3オンに失敗してアプローチされ、見事に寄せ1を取られます。
4mのスライスと読んだバーディーパットは、打ち切れずにカップ手前で右に切れ、またまたチャンスを逃してしまいました。
2番からアップするチャンスを握りながら、パットが決まらず、チャンスを握り切れません。


5番パー4は、先にメダリストが右目のラフにわずかに入り、その15y先のフェアウェーに私の球がありました。
右前方からのアゲインストでしたが、メダリストは右ラフにショートし、またチャンスかなと思ったら同じように右手前に外してしまいます。
メダリストのアプローチはグリーンの傾斜でピンに寄らず、またチャンスだったのにアプローチを上手く打てずに同じように傾斜で止まってしまいます。
メダリストのパーパットは左に外れ、3mを入れるとアップできると挑んだパーパットは、やはり同じように左に外すボギーでした。


ここはメダリストが初めて見せた失敗でしたが、それに付き合ってしまったのもマッチプレーという相手を見ながらプレーする試合形式の面白さです。


6番パー5は、お互いパーオンは逃しましたが、寄せ1のパーでした。この辺りも、お互い一歩も引きませんが、メダリストのゴルフは昨年のチャンピオンが評したように、ほとんどスキを見せず、この辺りでは攻めないと勝てないと考えを変えました。
それまでフォローだったし、1番でオーバーしたため、どちらかというと手前を狙う意識が高かったのですが、パーでは勝てないと思ったのです。


7番パー4で事件が起きました。


メダリストのティーショットはドローでしたが、左ドックのコースをフェアウェーから右ラフに転がります。
私は予選と同じ、左の池と木を超えてショートカットし、右目のフェアウェーでした。
先にメダリストが右手前に外し、私は9Iでピン筋に打ってやや奥にオンでした。
メダリストのアプローチは右に出て下りのフックラインの5mが残っています。
「ここは取れるかも」と皮算用したのが悪く、先に7mのバーディーパットはカップの左を抜け1m弱に止まります。
メダリストのパーパットが入らなければ、OKかなと思っていたら、なんとそのパーパットをねじ込まれたのです。


勝負が決まっていないのに、勝った気分でいたため、この相手のパーにはかなり動揺してしまいます。
以前、習っていたコーチから、マッチプレーでは相手のショットもパットも全て入るものとして見るようにと注意されていたのに、ここはその意識を忘れていて、動揺しながらのパーパットは右に出てカップに蹴られ、ボギーになってしまい、1ダウンになりました。


しかし、これでマッチプレーでの心構えを思い出したため、それ以降はセカンドショットからでも直接カップインするかもと常に思いながら、相手のショットを見ることができるようになりました。


またこれまで、相手のメダリストも私も良いプレーができていたので、なんだか楽しくなり、勝負は負けるかもしれないけど、こんな楽しい勝負だったらずっとやりたいと思えるほどでした。
7番のチョンボをすぐに切り替えられたのが、結果的には良かったようです。


8番パー4は、フェアウェーからセカンドがきちんと打て、ピン手前にナイスオンでした。メダリストも同じように奥目にオンしていて、先にメダリストがカップに寄せOKを出し、2m強の上りのラインを真っすぐと読み、丁寧にヒットしてカップインするバーディーが来ました。
これで先のチョンボを取り戻し、イーブンに戻します。


9番は前回もパーが取れなかったホールですが、ここは9Iでピンの左にナイスオンでした。メダリストは奥にティーショットがこぼれ、アプローチも寄らず入らずのボギーで、私の5mのバーディーパットは決めきれませんでしたが、難なく1アップに変わります。


1ダウンの後、連続して取ったのが良く、後半の苦手な連続パー3で落としても大丈夫かなと気楽になれました。


10番パー5はお互い3打目をグリーン奥にオンしましたが、かなりの下りだったのでメダリストはバーディーパットを寄せるのが精いっぱいで、私のバーディーパットは1.5mほどを真っすぐと読み、ここも丁寧にヒットしてバーディーでした。
これで2アップです。


しかし、このリードで気が緩んだのか、次の11番パー4のティーショットを置きに行ってしまい、大きく風で右に曲げられてしまいます。
メダリストは先にフェアウェーからパーオンし、それを見てここは負けだなと思いながらのショットは、手前にショートし、アプローチも3mでパットが入らずのボギーとなり、パーのメダリストに1つ返され、1アップに変わります。
ここはなんだか気が抜けたようなプレーになり、ここで気を抜いたら逆転されると自分に喝を入れました。


12番パー3は、アゲインストだったので、U4でのショットでしたが大きく左にフックしてしまいます。メダリストは先に右に外していて、アプローチ合戦はメダリストに軍配が上がり、同じような上りのラインで私が先に4mをわずかにショートし、メダリストは勝負強いパットで見事に沈め、これでオールイーブンに戻ってしまいます。
ただこのホールと次のホールは、ずっと苦手だったので、当初から取られるかもと計算していたので、大きなショックはありません。
それより、メダリストの勝負強いパットの打ち方にギャラリーになり、感心して見ていました。


13番パー3は、ここもアゲインストで200y近いため、U4で打ち、お互いグリーンオンは出来ませんでしたが、どちらも寄せて2mほどの微妙なパーパットを沈めるパーでした。
ここを分けにしたのが良く、負けを覚悟していたのに、幸いな分けだと思えました。


14番パー4はこのコース最長のミドルでアゲインストのため、パーオンは難しく、私が3オン2パットのボギーにしましたが、メダリストがまさかのダボを叩き、予想外の1アップになりました。
さすがのメダリストも、神経戦でかなりやられていたのかもしれません。この辺りから、それまで出なかったミスが目立つようになり、私のミスが致命的なものになりませんでした。


15番パー4では、私がセカンドをピン奥にオンし、メダリストのセカンドが右バンカー手前のベアグランドに止まっています。
スコアカードのローカルルールを見ましたが、修理地には青杭があるとあり、そこは何も表示がなく、自分だとそのままプレーかなと思いましたが、メダリストは手を挙げて後続に付いていた専務を呼びます。
結局、ティーグランドにいた専務には声が届かず、前ホールに同行していたもう一人の社員を私が手を挙げて呼びました。
メダリストが「ここは修理地?」と聞いたら「カート道路として扱ってください。」と答えがあります。
カート道路?とは思いましたが、自分がバーディーを決めればいいだけと思い、特にクレームは付けませんでした。
メダリストは救済を受け、2mほどにオンしましたが、私が下りの3mを沈め、2アップにしました。


ここは、救済の取り扱いで「?」とも思いましたが、自分が入れると問題ないと気持ちを強く持っていて、時間がかかりましたが集中力を切らさずにバーディーパットに臨むことができました。


16番パー4でもちょっとした事件が起こります。
メダリストがセカンドを右目にショートし、私はU6で直接ピンを狙って奥にこぼしてしまいます。
グリーンに上がる際に、グリーン脇にいた専務と社員らしき人に「奥にはバンカーがありますか?」と尋ねたら社員が「ありません。」と答えてくれました。
するとメダリストが「それを聞いたらアドバイスを求めたことになり、ペナルティーだけど今回は大目に見る。」と言われます。
奥にバンカーがあるならSWが必要だし、なければ52度で打つつもりで聞いただけで、ルール上は「公知の事実を尋ねてもルール違反ではない。」という裁定を知っていたので、おかしなことを言うなと思いましたが、特に反論はしませんでした。


ただ、あまり気分は良くなく、アプローチもあまり寄らず、3mのパーパットも左に外し、お互いボギーで分けましたが、次のホールに向かう前に専務に「ルール上は問題ないはずです。」と声を掛けました。
実は9番のショートホールのグリーン上でプレー中に、専務がいたのですが「競技中に部外者が入るのはダメだ!」と。専務も叱られていたのです。
正直、これもそうだったっけ?と思いましたが、こちらは確信がないままで、特に自分に影響もなかったので、気にはしませんでした。


ホールアウト後ですが、3人でクラブハウスの待合室で雑談後、それじゃと帰ろうとしたら、メダリストが出た後の私の出がけに声がかかり、「ん?呼びました?」と引き返したら、専務が「言われたとおり、バンカ一の確認はペナルティではない。」とルールブックを見ながら言ってくれました。


ルールは例外もあり、分かりづらいものですが、公知の事実は聞いてもOKだと知っていたのが幸いで、もし知らなければ心が乱れてプレーに影響が出たのかもしれません。
専務もすぐにルールブックで確認されるのは、素晴らしいことです。


17番パー5はドーミーホールになります。
今日はホールの巡り合わせが良く、ドーミーがロングホールだというのは、パーで勝てるわけでかなり気が楽です。
ここは左のグラスバンカーに打ち込んでしまいましたが、刻む分には問題なく、6Iでフェアウェーに出し、8Iでピンの左にナイスオンでした。
メダリストは奥のカラーで、そこからパターで狙われましたが、なぜか弱くショートしてしまいます。
ここはドーミーホールで私がバーディーチャンスということは、メダリストにとってバーディーは絶対で、カップを大きく超えるようなヒットが必要だったはずです。
マークされて、私がわずかに左に20cmほど外し「OKですか?」と尋ねたら、しばらく答えがなかったけど「OKです。もう自分が打っても勝負が決まったのですね?」とやっと気づかれました。
「せっかくだから、最後までプレーしましょう。」と促し、見事パーを取られます。
しかし2アンド1でこのマッチは私の勝利になりました。


最終18番は、次週の練習のため今日は19度UTでティーショットし、8Iでピンのやや左手前3mにナイスオンでしたが、このバーディーパットは左に外すパーに終わります。
メダリストは、14番も出たアプローチでのシャンクが出てしまい、最後はボギーでした。


途中、いろいろありましたが、基本的には和やかに楽しくラウンドすることができました。
勝負が決して、18番のティーで「スタート前はハンディーを教えてもらえませんでしたが、おいくつですか?」と再度尋ねたら、「5」だということです。
さすがに納得で、勝負強いパットが5下というハンディーを物語っています。


メダリストは前半は、5番・9番以外はほぼミスなく、2オーバーの38で回っています。後半はシャンクが出たりしましたが、13番まではパープレーで、14番から私のリードになってからは、やや精彩を欠いたゴルフになりました。
それでも3ボギー1ダボの5オーバー41で回っていて、通算も79というスコアでした。


結局、私が勝てたのは要所要所のバーディーで、8番・10番・15番と3つも取れたのが大きかったのです。
特に8番は7番のチョンボの直後にイーブンに戻すバーディーだったし、10番は苦手の連続パー3前に2アップにするバーディーで、15番もいったんは追いつかれたのを引き離すバーディーでした。


メダリストは、ほぼミスなくプレーされますが、バーディーが取れなかったのが痛く、それはマッチプレーの鉄則である、「パットは強め」ということを実践されなかったことが原因です。
見ていて、ここは無難に寄せたなと思うパットが多く、カップをオーバーするときの「ドキっ」とした思いを私に与えることがなかったのです。
ストロークプレーだったら「ナイスパット!」と言えるものでも、マッチプレーは神経戦なので1ホールごとのカップをオーバーする際の「ドキっ」をボディーブローのように浴びせていれば、後半に必ずエネルギーを削ぐことになります。


その意味では、いつもは弱目の距離を合わせるパターしか打たない私が、ショートしたのは確か一回だけで、弱目でも必ずカップはオーバーしていて、横から見ていると「入る!」と思わせることができたのかもしれません。


ただ終わってから、お互いに楽しいゲームだったと心底から思え、強い相手とプレーするとそのプレーに感化されて良いプレーができるという典型的な日でした。


メダリストは、ルールの解釈では一部「?」もありましたが、とても温厚で紳士的なゴルファーでした。
メダリストからも、「負けたけど楽しいゴルフができました。」と言ってくれ、お互いの健闘を称えあってマッチを終了しました。


来週は1週空いて、再来週の日曜に準決勝があります。相手は、最終18番で決着をつけたという予選でご一緒した方です。
飛距離はないものの、見事なアプローチでパーを取られる、まるで「指宿のチャンピオン」のような方です。
指宿のチャンピオンとの戦いのように、まず先にパーオンしてプレッシャーをかけることが大事で、アプローチ勝負になれば相手が一枚上だと思っています。
飛距離がないので、ほとんどパーオンはショートホール以外はしなさそうで、そこが付け入るスキでもあり、また罠でもあるのです。


明日は、大阪のサムトラさんとアロハカントリー早来でラウンド予定です。セルフデーのようですが3千円という安価な料金なので、あまり期待はしていないゴルフ場ですがはたしてどうでしょうか?