三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

「ボギーオンなゴルフ」の実践者 指宿のチャンピオン

前回に続き、スコアの作り方で大事な「ボギーオンなゴルフ」の話題です。


指宿のチャンピオンとは、熊本のゴルフ場で知り合った70歳の「流離のゴルファー」が指宿に行ったとき知り合った某CCのマッチプレー選手権で何度も優勝している方のことです。


身長は160cmあるかないかの小柄で、体型も細身です。年齢は67歳で、ドライバーの飛距離はほぼ200y以内になります。


最初に一緒にプレーしたとき、こんなじっちゃまには負けないと思いました。1打目が30yからときには50yも違うからです。
しかし指宿のチャンピオンが凄いのは、セカンド以降になります。


1打目は距離は出なくてもフェアウェーを確実にキープし、セカンドを先にウッドを使って乗せてくるのです。
乗らないまでも、グリーン回りに寄せ、そこから確実に1ピン以内に寄せてきます。


最初はスクラッチでのスコア勝負でしたが、勝負の展開はチャンピオンが先にフェアウェーからウッドでグリーン近くに寄せ、私がセカンドをアイアンで外し、先に1ピンに寄せられプレッシャーの中、寄せきれず、パーパットも入らず、チャンピオンが寄せ1を決めるというものでした。


ティーショットを打った際は、勝ったと思っていても、いつの間にか立場が逆転してしまっていて、「そんなはずじゃ」と焦って自滅するパターンが多かったようです。


チャンピオンがマッチプレーに強いのは、アマチュアの心の揺らぎを的確に掴み、相手にプレッシャーを与えるのが上手いというところです。
ドライバーで圧倒的な飛距離の差を付ければ、ほとんどの者が「大した相手ではない」と思い込みます。


しかし、グリーンにオンしてパットを打つ際には、いつの間にか立場が逆転していることに気づかされます。
良くてもドロー、悪ければ負けという状況なのです。
これは、最初に勝ったと思わさせることが原因で、勝ったはずがそうではなくなったと思うことで対戦相手に本来は不要な焦りを植え付けるからです。


私とはマッチプレーではなく、スコア勝負でしたが、やはりホールアウト後にこんなはずじゃなかったと何度も思わせられる展開でした。


何度か対戦して苦杯を飲まされた後、チャンピオンにどんなコースマネジメントをしているか尋ねたことがあります。


するとチャンピオンの答えは「グリーンに届かないクラブ選択を常にしている。」という不思議な答えでした。
そんな答えでも、しっかりパーオンしてバーディーパットを打つケースもあるので、「??」って思ったものです。


しかし、その後の勝負でチャンピオンのゴルフをしっかり観察していると、飛距離がでないためほとんどセカンドはウッド使用です。
そのためフェアウェーキープは絶対条件で、そのため飛距離を捨てている感もありました。


ウッドでグリーンを狙う場合、直接グリーンにバウンドすると、グリーン上に止まりきらず、奥に転がり落ちる危険性があり、次は下りの難しいアプローチが残りがちです。
そのためチャンピオンはグリーンに届かないウッド系のクラブで花道を狙い、運よく転がればグリーンオンするという戦略だったのです。
届かないクラブを使っていれば球は手前に止まるし、次のアプローチで寄せることが比較的簡単になります。


パー4のホールで、先にチャンピオンがウッドで手前からコロコロと乗るケースをよく見ました。
なぜあんなに転がりが計算できるのか不思議に思っていましたが、なるほどグリーンに届かないクラブ選択をしていたのかと納得しました。


ウッドであれば、花道だったらランが出てグリーンまで届くこともあり、それを狙ったショットを繰り出していたのです。
チャンピオンの秘密が分かってから、スクラッチ勝負は勝ち負けしながらも、少しずつその差を付けることに成功しました。


当初は、不思議に思っていたチャンピオンのゴルフは、まさしく「ボギーオンなゴルフ」だったのです。
そんな「ボギーオンなゴルフ」であっても、ローハンディで距離自慢の猛者たちを何度も破ってチャンピオンに輝いているのです。
まさしく技と知恵の塊だと思いました。


残念ながら、私のセカンドはウッド系を使うことはなく、アイアンなので手前から転がしてオンさせるという芸当はできません。
しかし長いパー4や1打目をミスったセカンドで長い距離が残った場青、無理してオンを狙わず、指宿のチャンピオンの話を思い出しながら、グリーンに届かないUTなどで花道狙いをすることが増えてきました。


すると手前から転がって乗る場合もあり、外しても比較的楽なアプローチが残ります。
スコアの成否はアプローチの精度に関わってきますが、グリーン奥や横からの難しいラインが残るアプローチより、受けているグリーンへのアプローチがより簡単だということは誰でも分かるはずです。


「ボギーオンなゴルフ」を実践することで十分70台のスコアも出せます。
飛距離で大きく負けた相手がボギーにする中、悠々と寄せ1でパーを取っていくことも可能なのです。


まさしくアマチュアにお勧めなゴルフが「ボギーオンなゴルフ」なのです。


「ボギーオンなゴルフ」で大事なことを纏めておきます。


① フェアウェーキープは絶対条件とまでは言わなくても、大きく曲げるくらいならドライバーを使わないでフェアウェーキープを目指すことも必要。


② グリーンに届かない若しくはギリギリのクラブで手前でも良いと思ってスイングする。最初から次はアプローチする意識を持っておく。乗ればラッキーくらいでちょうどよい。


③ アプローチの正確性は必要。ラフからでも1ピン以内に乗せる程度の正確性を持ったアプローチを磨く。


④ パットは入れば良しだが、入らなくても3パットは避ける意識で打つ。
 ボギーでも全然OKである。


付則
ボギーオンなゴルフでは、手前に刻むためバンカーインは避けられない。そのためバンカーショットは1回でグリーンに乗せることができるレベルまで練習が必要である。
「ボギーオンなゴルフ」ではグリーン回りから3打でホールアウトすることが目標なので、バンカーから乗せて2パットを目指すため、確実な脱出技術は必須である。(砂1などの技術は不要である。)