三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

HC(ハンディキャップ)を減らすことは幸せか?

ゴルフ好きの人にとって、まず100切りは最初の目標です。そして90台のスコアが出せるようになると、いわゆるオフィシャルハンディ(HC)を取得したくなります。


以前はゴルフ倶楽部のメンバーになりそのコースもしくはパブリック制のゴルフ場でラウンドし、計20枚のスコアを提出してHCを取得するしかなかったのですが、最近はJGAのコースレートがあるゴルフ場のスコア10枚でもHCは取得可能で、またJGAに直接スコアを出す方法などで個人でも比較的簡単にHCを取得することができるようになっています。


しかし、ある研究ではそれでもオフィシャルハンディを持つゴルファーは、全ゴルファーの1.5%にしかならないという結果が出ています。


HC30台や20台のゴルファーは「いつかはシングル」と夢見て練習に励みますが、以前所属していたゴルフ倶楽部のメンバー表によると「シングル」ハンディ者は所属メンバー1千名のうち80人ほどであり、そのクラブでは約8%という狭き門でした。


最近のJGAのHCでは直近のスコアが良ければ簡単にシングルハンディになりますが、以前のメンバーシップのゴルフ場ではHC10とHC9との間には大きな壁がありました。


自分が所属していた倶楽部の規定では、HC10の会員が3か月の期間中にメンバー競技で合計3回の70台スコアを出すことが条件だったのです。
その上で、ハンディキャップ委員長によるラウンド査定が行われ、晴れて「シングル」の仲間入りになっていました。
このスコア70台は79でも良いのですが、80では不可になり、1打の差で壁を乗り越えれないというメンバーがかなりいたのは事実です。


また「シングル」ハンディ者の中には、いわゆる「5下」と呼ばれる上級者がいて、そのレベルは大きく違います。
また自分がいた倶楽部の規定なのですが、「5下」になる条件は3か月内に75以下のスコアを3回出すことでした。
つまり3オーバーまでしか許されない厳しいゴルフをする必要があったのです。


こうして厳しい条件の元、シングルになったメンバーは「シングルさん」と呼ばれ、メンバーには一目置かれる存在になっていましたし、中でも「5下」は倶楽部の顔的存在になっていました。


しかし、いったんシングルになると、それに見合うスコアが出せなくなってもHC10に戻ることは本人の了解なしにないという弊害も出ていました。
JGAの新しいHC規定に移行してからは、こうしたことはなく、実力にあったHCに近づきつつあります。


シングルHC者がゴルファー全体の数%はいることに対し、「シングル」の頂点である「スクラッチプレーヤー」(HCが0のゴルファー)はほんの数えるほどしか存在しません。
ある調査によると日本全体で500人ほどしか「スクラッチプレーヤー」はいないという結果があります。


努力して「シングル」になってもその先には「5下」がいて、そのまた先には「スクラッチプレーヤー」がいるという図式になります。
もっと言えば、その先にはプロもいて、プロの中にもトーナメントプロを頂点とする階層があります。


つまり、どこまで行ってもまだ上がいるわけで、そこで満足することは上達が止まるということになります。
どこで満足するかという問題でもあります。


一般的なクラブ競技はハンディ戦ですが、「5下」のゴルファーはOB1発でほぼハンディが無くなることもあり、その厳しさは我々大きなHCを持っている者には分からないところです。


基本的にHCはそのゴルファーが好調な時に出せるスコアになるので、通常のネットスコアは+2~+5程度になります。
これをネットアンダーで回れるようになると、HCが減るということになり、常にHCによるネット72というのが目標になります。


上級者は、1mのパットは絶対に外せないゴルフを強いられます。


100を叩くゴルファーの1打と70台のゴルファーの1打は同じ1打でも、当人にとっては全く違う1打になります。


ゴルフはミスで成り立つゲームですが、上級者になるほどそのミスの許容範囲が狭くなり、ラウンド中に気を抜くことができなくなります。


シングルHC者が90台のスコアを出すと恥ずかしいとばかりにスコア提出をしない人まで出てきます。
アベレージゴルファーなら90台のスコアに喜びを持てますが、シングルハンディ者にとって90台のスコアは「恥」以外の何物でもないことになります。


つまり、ゴルフが上達する=HCが減るということは、それまでの楽しさの代わりに苦しさが伴うことであり、HCを維持するため練習をおろそかにしないのはもちろん、ラウンド中もスコアを崩さないよう細心の注意が必要になり、その結果良いスコアが出ることだけが楽しみといえば楽しみなのです。


それでも「シングル」を目指すのでしょうか?
そんなゴルフはもう自分はしたくないかも。