三重苦ゴルファーの日記

69歳になった飛ばない・寄らない・入らないの三重苦を持つシニアゴルファーの日記です。

「NR」(no return)についての私見

昨日の記事で老ゴルファーがスコア提出をわざとせず、「NR」扱いになったことを書きました。


このスコアカードをわざと出さないことは、私の中ではあるまじき行為という認識です。


「どうせゴルフは遊びだし、そこまでやかましく言わなくてもいいのでは。」という意見もあるでしょう。
しかし、遊びだからこそ命に係わるわけじゃなし、出せばよいのではないでしょうか。


ここでスコアカードを提出しない(できない)理由を考えてみます。


まず、一般的にはラウンド途中で急病や怪我になり、最終ホールまでたどり着けなかったという「途中棄権」(WD=wifhdraw)があります。
途中棄権ではスコアカード提出はいうまでもなくできないので、この場合は認められます。


また競技中にゴルフ規則により失格(DQ=disqualification)になった場合もスコアカードの提出は当然できません。


この2つに該当するのであれば、スコアカードの未提出は仕方ないことだと考えます。
しかし、正規のラウンドを終了したのにスコアカードを提出しないのは、まず考えられない過失(提出を忘れる)以外は次の理由が推測されます。
1 スコアが悪すぎて、他者に悪いスコアを知られたくない。
2 HCの数値が増加することを避ける。


つまり、そのゴルファーの我儘、自己本位からくる理由なのです。


ゴルフはHCがあることで、老若男女、上級者と初心者などが一緒に対等に競技できるスポーツであることを忘れてはなりません。
そのため、HCはその時の競技者の一番近い状態を表す数値であるべきです。


JGAのHPには「規則・用具」の項目とともに「ハンディキャップ」という項目があります。
その中の記述を引用すると「プレーヤーはハンディキャップ査定のために、プレーしたコースにてラウンド終了後直ちに、スコアカードを提出しなければなりません。」とあります。


以前から日本のメンバーシップ制のゴルフ倶楽部では、いわゆる「シングル」と呼ばれるローハンディーのゴルファーが幅を利かせる風潮があり、ハンディがいったん「9」になると、その後どんなにHCに見合うスコアが出せなくなっても、本人からの申し出がない限りHCを増やさないという不文律がありました。
いわゆる「名誉シングル」であり、とくに老ゴルファーに多かったようです。


現在はJGAのHC制度を採用する倶楽部も多くなり、以前の「シングル」さんが二桁のハンディになることも珍しくなく、昔のようにシングルハンディ者がクラブ内でのさばるという風潮はかなり減りましたが、反対に簡単に2桁ハンディになることを恐れ、大叩きのスコアカードを提出しないという弊害も出ています。


このスコアカードを出さないという行為は、競技等で予選通過が絶望的になるスコアを叩いたプレーヤーがわざと提出しないことで「NR」となり、記録を残さないという手段を取っていた名残かもしれません。
この行為は時々プロでも見られ、公式記録が残るプロがそのスコアを残すことを嫌がり、わざと署名しないでスコアカードを出さず「NR」扱いとなったという事例がもしかすると今でもあっているのかもしれません。


本人の意思である以上、このことを防ぐ手段はないのですが、「NR」となったゴルファーは例えば一定の期間、競技への出場を制限するなどのペナルティーを課するのもありだと思います。
そして「NR」でも参考スコアとして公表するのも、意図的な「NR」狙いを防ぐ手段としてよいのではないでしょうか。


ただそうすれば、スコアを公表されると恥ずかしいと思うゴルファーは例えば18番ホールでホールアウトせずに棄権して「WD」扱いとなることを目指すでしょうが、こうした意図的な行為はマーカーが把握できるだろうから、その後の競技への参加を規制すべきです。


競技規定に、「『NR』の場合はこの先3か月の間は競技への参加を認めない。」と表記し、安易な「NR」を撲滅するようにしてもらいたいものです。


私の個人的意見としては、正規のラウンド後にスコアを出せないゴルファーは競技には参加する資格なしと言いたいわけで、悪いスコアでも恥ずかしがる必要はない、堂々としようよということなのです。


誰でも、たとえプロであっても、良いスコアの時も悪いスコアのときもあるのがゴルフなのです。
姑息な手段は使わず、堂々とスコアを晒せるゴルファーを私は尊敬します。


その意味で、昨日の老ゴルファーが7100yのバックティーからの競技に70歳を過ぎても挑戦されていることに敬意を払っていたからこそ、安易に「NR」という手段を取られたことにとても残念な気持ちを持ったのです。


「no ruturn」って「to play out」して「to play back in」したはずなのに、クラブハウスに帰って来ないのだから、本当は捜索願を出さなきゃいけないのでしょうから。